「アーティストの生きる場所を作る」トラックメーカーMUTOが手がける実験的音響空間

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異ジャンルとのセッションで新しい創作を 実験的音響空間「OTO NO SUKIMA」

―――今、MUTOさんは音楽で他の色んなものとセッションをされていますが、そういった活動は、いつ頃はじめられたんですか?

活動自体は1年半前になります。本格的に毎月のイベントを始めたのは去年の2月。単純に「色々組み合わせたいな」って思って。ジャンルが違う人がセッションしたときに何か新しい創作が出来たら面白いなって言うことで。イベント自体もそういう感じになれば良いのかなって。

MUTOさん主催の音楽イベント「OTO NO SUKIMA」


ジャンルを超えてセッションを行う。そこから新しい創作を見つけていくための実験的音響空間。
6月27日(木)に行われた「OTO NO SUKIMA」の様子です。

即興的トランペット、トラックメーカー、試奏家、環境音楽家、朗読、言葉、前衛的身体表現によるセッション。
その音響と呼応し合うライブペインティング。2人のVJによる映像演出。
異なるジャンルのアーティストが集まり、独自の空間を産み出していました。

スタッフ手作りカレーも!(写真は「ひき肉キーマカレー~しびれ粉つき~)「アンビエントなあいがけ」って一体…?
竹原も演者として参加しました。MUTOさん、また他の演者さんと朗読でセッション!

「アーティストが生きる場所」を作れたら最高なのかなって。アーティストが自分で表現をして、お客さんが来て、例えばCDが売れて生計が立つみたいな、その表現が良いと認められて他のイベントに呼ばれたり、認知されて。そういう場所を作りたかった。「新しい風景」じゃないけどさ・・・見たいよね?(笑)

―――はい(笑)

 

夢は”世界ツアー”!? 活動の今後は

―――ご自身の活動について、今後の展望は?

自分自身もアーティストとして外に、色んなところに出ていきたい。僕のジャンルだと、日本ではホントウケないから。そもそも「アンビエント」っていうジャンルを知っている人がいない(笑)

―――僕も知らなかったです(笑)

1%いるかってぐらい。そういうジャンルなので、ちゃんと海外に出たい。というか、出ていかないと食ってけない(笑)

―――(笑)

地元をメインにやるからって地元だけに居てもね(笑)ちゃんと発信していくっていうか。

―――他の地域の人に「あ、札幌ってこんな音があるんだ」って思ってもらうのもいいですね。

そういうのもあるね。
あと言われたのが、元々関西出身で、札幌に住んでいる女の子に「これもし地元に帰って聴いたら泣きますわ」って。「え!札幌の音じゃん」みたいな。

―――住んでいる人にとっては自然と音が染みついているものなんですね。

やっぱり、無意識下で入っている音っていうのが誰しもあって、それを「顕在化」して、強調、表現出来ているのかなって。その感覚を聴き手に作れるっていうのが、やってて気持ちいいなって。「いい曲だね」って言われるより嬉しくて(笑)

―――(笑)

そういう感覚を作る、知覚させるということが、今後も出来たらいいなと。
色々評価されたら、道内の公演とか、日本国内でも海外でも行けたらいいなっていうのはあるよね。面白くない?

―――そうですね(笑)

全然イメージはついてないけど(笑)
「海外行けんの?」「なんか誰かお金出してくれるらしいよ」「MUTO引っ張ってきたらしいよ」みたいな(笑)

―――海外いけるってなったら震えますね(笑)

その時も、日本語でやりたいと思っていて。日本語でそのままやって映えるような、例えば朗読とか、言葉を使った表現を作れたらなあという感じです。
あとは、アーティストの交流というか、創作をしている人の交流の場所になれば素敵だなあと。

―――交流の場所…。演劇界は、かなりクローズドなコミュニティというか、色々ある中でもかなり閉じている印象があります。札幌がなのか演劇がなのか分からないですけど。

閉じたときに出来る表現があるのはいいことだけど。

―――そういう熱量というか。

そうそう。
そういう中ですぐ交流っていうのが出来るようにならないんだったら、じゃあ自分で始めちゃった方が早いんじゃないかって。そこから考えようみたいな(笑)

―――まずは自分から(笑)

そういう(交流の)場所を僕は手に入れることが出来たので、今度はそういう場所、そういうことをする人を作りたいというか。例えば、たけちゃん(竹原)が他でイベントをやるなら呼んで欲しいし。

―――ゆくゆくは、MUTOさんのイベントに出た人が、自分で他に交流の場所を作るようになって、それがつながれば、と。

そうだね。
短期的に見ると、(参加している)アーティストたちが繋がったらいいなと思って。長期的にみたら世界ツアー!

―――夢はデカく(笑)

なんかただの馬鹿野郎みたいだよねこれ(笑)

―――(笑)そうやって交流の輪がどんどん広がるのは良いですね。僕もまだ全然どこにも認知されていないアーティストなので。

なんか面白くあれば良いなって、曖昧なんだよね、イベントやる時も。

―――まだ始まったばかりですし(笑)

やりながらいい具合に作れたらいいよね。

―――道を探しながら。

言ったら、暇な人じゃないけど、そういうのに出てくれる人を探してて。アーティストって、そんなに忙しい人いないから(笑)

―――そうですね(笑)

たけちゃんも、今ちょうど身体空いている時期で(笑)

―――ド空いてますね(笑)

家にこもって書くのも大事だけど、外に出て、っていうのもやれたら(アーティストとして)なお良いよねって。

―――今「暇な人」っていう表現が出ましたけど、くすぶっているというか、なんかやりたいけど場所も機会もなくて、でも腹に一個持っている人が沢山いると思ってて、演劇界隈でも。脚本やりたいけど場がないとか。

うんうん。
あとは、フォーマットを壊したいっていうのもあるよね。色々誰かとセッションして。新しいフォーマットを作りたいというか「自分らのフォーマット」みたいな・・・これもかなりデカいこと言ってるね(笑)
でも、目的はそこだよね。自分なりのそれがあれば、評価されて、それこそ世界ツアーいけるし。

―――既存の枠にとらわれず、というか。

うん。
だから、最近アイディアがまた結構すごいもんね。この前も、楽器作ってたじゃん。アレの使いようとかを、また考えてて。

―――ああ、あのバードコール。

木に取り付けられたねじを回すことで、鳥の鳴き声のような音が鳴る「バードコール」

先端についた10円玉ほどのピエゾマイクで音を拾えるようになっている

6月の「OTO NO SUKIMA」でも使われていました

こういう、アナログの物を使って、何かやりたいな。
…これ今見ると色味とかヤバいね(笑)

―――この色味はこの色味で、試作機って感じで男の子としては燃えるところありますけど(笑)無理やり感かもしれないですけど、「言葉の人」も言ってみたらアナログですしね。

あー、そうだね。そういうフォーマットみたいなの。その人らしさみたいなのが作れたら勝ちなのかなって。完全オリジナルは無理だけど(笑)

―――(笑)

大体やりつくされてるじゃん(笑)

―――過去脈々とやられ続けている様々な芸術…もうね(笑)

演劇は演劇、音楽は音楽でやりつくされてるんだったら、もう混ぜちゃえっていう(笑)

―――でも、新しいものが産まれるってそういうことですよね。

 

最後に

―――あ、最後に一つ良いですか?

はい?

―――僕の書いた脚本「硝子(しょうこ)の仮面」が7月25日(木)の「OTO NO SUKIMA vol.3」にてリーディング上演されます!皆様ぜひ来てください!

露骨な宣伝…。

―――ご協力ありがとうございました。

(了)

 

まとめ

アーティスト同士の交流、そこで産まれる新しい創作を大事にするMUTOさんのスタイル。
そんなMUTOさんのイベントには、ジャンルを超えた様々なアーテイストが参加していました。
引きこもり系クリエイター(自称)の僕も、イベントでは普段全然喋らないジャンルの方々とお喋りさせて貰いました。(頑張った!)

「OTO NO SUKIMA」も7月で3回目、またまた色んなジャンルの方が来るそうですよっ!
今後、MUTOさんの活動がどういった展開を見せるのか、受け手としても作り手としても楽しみです!

竹原

埼玉から北海道に来た人。
役者をする人であり、脚本を書く人でもある。
短編演劇が好きで餓死が嫌い。

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