僕のようなヲで始まりタクで終わる人種を魅了してやまないこの言葉。
漫画、アニメ、映画、小説……古よりジャンル問わず「自分だけが理解(わか)ってる」作品を語ることでしか得られない栄養を摂取しながら、僕は今日まで生き延びてきました。
そんな訳で、そういった作品を広めたい、あわよくば「全然知らなかった!面白そう!」の声を聞き鼻の穴を大きくしたい、という邪な欲求を抱えながら日々を過ごしているのですが。
しかし、ここである一つの問題が僕の頭を悩ませます。
そう、高度に発達したこの情報社会。
大抵の作品についてはちょちょいと検索すれば概要から裏設定、エンディングの考察まで簡単に調べられてしまうのです。
インターネットという爆巨大集合知の前では、僕のような小市民は口をつぐんで孤独に暮らすしかありません。
渦巻く昏い欲望を心の奥底に押し込めて生きなけらばならないこの世知辛さ……。
それでも僕はっ……語りたい……。
まだ知られていないかもしれない名作を!
あの日心躍らせた名作を!
そしてあわよくば「そんな作品知ってるなんて凄い」と思われたい!
じゃあ語ろうや!!
友達呼んで語ろうや!!
友達ってそういうもんじゃろがい!!
『隠れた名作』ゲームを語り合う友達
と、いうことで集まりました。
誰も彼も僕と同じく素敵なゲーマーたちです。
やよい:竹原の友達。ゲームが好きでメガネをかけている。
そねさん:竹原の友達。ゲームが好きでメガネをかけている。
らんらん:竹原の友達。ゲームが好きでメガネをかけている。
今夜は彼らと一緒に『隠れた名作』について心行くまで語り合いたいと思います。
レギュレーションは以下の通り
・知っているしプレイしたことがある:-1
・名前を聞いたことはあるがプレイしたことはない:1
・知らないしプレイしたこともない:0
合計点数が1以上の場合「隠れた名作」認定とする。
なお、シリーズ物は『○○シリーズ』として紹介。
その中で「特に2が面白くて」と好きな作品を推すのはOK。
派生作品等について「根幹となるゲームシステムが共通しているもの」は括る。
例
『ポケモン』と『ポケダン』→分ける
『ポケモン赤』と『ポケモン金』→分けない
※曖昧さは各自の良心に任せる
この場で誰もがプレイしたことのある有名作品を出すのはもってのほか。
「有名ゲーしか知らないクソポップ野郎」として火刑に処されるのは必至。
また、いくら「隠れた名作」を語るからといって、本当に誰にも名前すら知られていない作品を紹介しては会話は盛り上がりません。
そんな愚行を犯した日には「マイナーゲーを擦って一人で悦に入るイキりカス」と呼ばれ石を投げつけられることでしょう。
何事も中庸が大切って孔子も言ってました。
1本目『トマトアドベンチャー』(竹原)
竹原「まずは僕から!これは覚えてる人もいるんじゃないかなぁ……」
竹原「GBA専用ソフト『トマトアドベンチャー』です!」
やよい「あー、はいはいはい」
らんらん「小学生の時、コロコロの広告ページでめっちゃ取り上げられてたわ」
そねさん「いや、僕はこれ……」
竹原「まずは皆さんの判定聞きましょうか!」
やよい:名前を聞いたことはあるがプレイしたことはない……1
そねさん:知らないしプレイしたこともない……0
合計2点!隠れた名作認定!
竹原「これCMが有名なんですよね!トマトマトマ~トケチャプップ~♪っていう」
らんらん「それは知らねぇ」
竹原「なんでだよ!『おはスタ!』の時間にめっちゃ流れてただろうが!!」
そねさん「分かんないなぁ」
竹原「そのCMが、オムライスにケチャップをひたすらかけるだけの映像で、印象には残るんだけど肝心のゲーム内容が全然分からないから全然売れなかったっていう」
やよい「エルシャダイと同じじゃん」
らんらん「どういうゲームなのこれ?」
竹原「ジャンルはRPGです。主人公たちが、子供だけの王国『ケチャプー王国』を冒険しながら、悪の組織と戦って……みたいな、ホントに王道RPGですね」
竹原「僕がこのゲームで推したいのは『戦闘システム』で。このゲームは『ギミック』と呼ばれる装備を使って戦うんですが」
やよい「DS Liteの直撮りだ」
竹原「ごめん、撮影環境がなくって…………」
竹原「例えばこのはぐるまヨーヨーというギミックは『Aボタンを押して伸び縮みするバーを止める』っていう操作になっていて」
竹原「こんな感じでミニゲームをしながら攻撃を与えるんですね。他にも『ボタン連打』とかいくつかの種類のギミックがあります。で、面白いのがこのミニゲームの『難易度』を任意で変えることが出来るんですよ。さっきのギミックの難易度を上げてみると」
竹原「止めるポイントがめっちゃ小さくなって、ちょっと静止画で伝わりにくいんですが、バーの速度も速くなる。で、これを成功させると」
竹原「成功した時のダメージが上がるんですよ」
やよい「上がり幅でかっ!倍以上出てるじゃん!」
竹原「難易度はギミックごとに変えられるんで『目押しは苦手だけど連打は得意』っていう人は目押しギミックの難易度は下げて連打ギミックは上げて……みたいなプレイングも出来る」
そねさん「なるほど」
らんらん「当時のRPGとしては斬新だね」
やよい「今調べたんですけど、開発会社のアルファドリーム、次の年に『マリオ&ルイージRPG』作ってるんですね」
竹原「あー、あれもアクション要素が入ったRPGだったね。今作のノウハウがそこに活きたのかも。とまあ、そんな感じで、キャラのレベルだけじゃなくプレイヤー自身のスキルを評価するシステムもあるのが面白いところですね」
らんらん「ちなみにさぁ。これなにが『トマト』なの?」
竹原「おっ!らんらんさん、良い質問ですね!!」
竹原「トマト、全然関係ないっす!!!」
らんらん「関係ねーのかよ!」
やよい「野菜嫌いの(現実の)子供たちに向けてどうこうみたいなのは?」
竹原「や、そういうんじゃなかった。一応主人公がトマト嫌いみたいな設定はあった気がする」
らんらん「だからなんだよ!」
やよい「まあ『ファイナルファンタジー』も何がファイナルなのかって聞かれたら……」
竹原「確かに。それを思うと『トマトアドベンチャー』がトマト関係ないのもさもありなんって感じだよね」
らんらん「一緒かなぁ、それ……」
そねさん「じゃあなんでCMにトマトケチャップの映像使ったんだ……?」
先陣を切った竹原が紹介したのは、世代が伺えるGBA専用ソフト『トマトアドベンチャー』。
NINTENDOらしい遊び心溢れるシステムが楽しい、今も色あせない名作でした。
小学生の頃、必死になって最高レベルのコマンド練習したなぁ。
……あ、あと、「トマトマトマ~トケチャプップ~♪」のCM、みんな観たことあるよね?
え、放送されてたのウチの地域だけ?
そんな訳ないよね?
2本目『くりきん』(そねさん)
そねさん「次、行かせて貰いますね。僕が紹介したいのは」
そねさん「NINTENDO DSの『くりきん ナノアイランドストーリー』です」
竹原「あー、あったなぁ!」
らんらん「キャラの下に書いてあるキンことばって何?」
やよい「これ確か友達が……」
そねさん「さて、皆さんどうでしょう?」
らんらん:知らないしプレイしたこともない……0
やよい:名前を聞いたことはあるがプレイしたことはない……1
合計2点!隠れた名作認定!
そねさん「このゲームの舞台は『ナノアイランド』っていう島で。そこでキンの研究をしている学校『ナノアカデミー』に、主人公が転校してくるところから始まります」
竹原「理学部の菌類学科みたいなもんって考えるとふつーに頭良いな」
らんらん「割と人気ある学科だよね」
やよい「島ぐるみでやってるってことは、かなり研究も専門的になってるだろうな」
そねさん「で、クラスメイトや島の人と交流していく内に、悪の組織との闘いに巻き込まれる……みたいな、ストーリー自体は王道のRPGですが。キンを使って戦うっていうのが独特で面白いんです」
そねさん「バトルの基本としては、バトルフィールドである『シャーレ』の中で、自分のキンをタッチペン操作で動かしながら戦わせるっていう感じです」
やよい「システムとしてはRTS(リアルタイムストラテジー)に近いのかな?」
そねさん「みたいな感じです。僕が魅力として推したいのは、既存のRPGのような体力、攻撃力、防御力みたいなステータスに加えて、繁殖力もキンごとに設定されているんですよ。弱いけど繁殖力が高いキンだったり、その逆だったり、キンごとに色んな特性があって、そこを上手いこと戦略に組み込まないといけない」
竹原「コストの概念があるんだ」
そねさん「シャーレの環境も重要で、高温/中温/低温の温度と、酸性/中性/アルカリ性のpHによって適したキンがいるんですよね」
竹原「これは、バトルの前に分かるの?」
そねさん「そうですね。ですので、フィールドに合わせてキンを選んで戦っていくのが重要です」
らんらん「なるほどね」
そねさん「シャーレって基本円形や長方形なんですが、迷路みたいに細い道が枝分かれしてる場合もあって。下手に繁殖力が高いキンを出しちゃうとむしろ道が詰まって不利になることもあります」
竹原「割と戦略性が高いな」
そねさん「キンは近くにあいてるスペースがないと繁殖できなくなってしまうんですが。そんなときはDSのマイクに息を吹きかけると……」
そねさん「キンを散らして、広範囲で増殖させることが出来るんですよ」
やよい「めっちゃDSっぽいシステム!」
そねさん「こういう風にハードの特性を活かしたバトルもこのゲームの魅力ですね」
そねさん「他にも、特定のキンとキンの組み合わせでバトルをすると、全く新しい『新種キン』が生まれることもあって」
らんらん「ドラクエモンスターズみたいな」
そねさん「出現させるのがめちゃくちゃ難しいキンや、友達と通信しないと手に入らないキンもあって、難しくも面白いポイントですね」
竹原「このゲームをたまたま近くの友達が持ってるシチュエーション、あんまなさそうだしなぁ」
竹原「ところでごめん、ちょっと一瞬見えたんだけど。これ、テーマソングさぁ……?」
そねさん「あっ…………」
らんらん「クリキン(クリスタルキング)じゃねーか!」
そねさん「笑」
竹原「『大都会』などのヒット曲で知られる……って、小学生が知ってる訳ねーだろ!」
やよい「え、ちょっとみんなでこれ聴いてみる……?」
そねさん「と、いうゲームでした」
2作目に紹介したのは独特な世界観と戦略性の深いバトルシステムが楽しめる『くりきん』。
公式HPのトップページには「キンことば」なる設定とともにゲームに登場するキンたちのワンポイント紹介もあり、世界観を大切にしたい開発陣の気持ちも伝わってきます。
また、テーマソングにクリキンを起用すると決定した日の会議室の盛り上がりもしっかりと伝わってきました(妄想)。
あと、話に出てきた悪の組織なんですが、キンを使って世界を進攻しようとしてるの、やってることふつーにバイオテロですよね?
こういう『一見ポップな世界観だけど、冷静に見るとふつーにヤバいことをやっている』少年漫画的設定、非常に好みです。
3本目『ゴースト トリック』(らんらん)
らんらん「それは死から始まる一夜の追跡劇……」
竹原「なんか始まったぞ」
らんらん「僕が語りたいのは『ゴースト トリック』です!」
竹原「はいはいはいはいはい!」
そねさん「あー……」
やよい「なんで美容系YouTuberの持ち方なんだよ」
らんらん「みんなどう?やったことある?」
やよい:名前を聞いたことはあるがプレイしたことはない……1
そねさん:名前を聞いたことはあるがプレイしたことはない……1
合計3点!隠れた名作認定!
らんらん「これみんな、内容は知ってる?実況見たとか」
竹原「話の入りはちょっと知ってますが、その程度ですね」
やよい「出荷数が少なくてプレミアついてるみたいな噂は聞いたことあります」
そねさん「ゲームショップで見かけはしたけど……って感じですね」
らんらん「一番良い位置じゃん」
竹原「『気になってはいたんだけどなぁ』のやつ」
らんらん「物語は、主人公が死んだところから始まるんだけど」
竹原「この、コミカルな倒れ方してる赤い人ね?」
らんらん「死んで魂だけになった主人公は、自分が死んだということ以外何も思い出せない。あたりを見渡すと自分の死体と、自分を殺したらしい拳銃を持った殺し屋らしき人物がいる」
竹原「推定犯人は分かっている状況だと」
らんらん「更にもう一人、そこには女の子がいて、今まさに殺し屋に狙われている」
やよい「よくないねぇ」
らんらん「そんな現場に居合わせた主人公が、なんとかその女の子を助けようとして……ってところが第1章の始まりなんだけど」
らんらん「じゃあどうやって助けるか。主人公に出来ることは二つあって。まず一つは『トリツク』……これ『トリック』と掛けてあるんだけど」
そねさん「そういうの好き!笑」
らんらん「力が及ぶ範囲内にある無機物に、主人公は乗り移ることが出来るのね。で、乗り移った先から更に別の物に乗り移っていく」
竹原「物から物へ乗り継げると」
らんらん「そうしてたどり着いた先の物を、二つ目の力『アヤツル』で操作することが出来る。例えば冷蔵庫だったら開けるとか、タイヤだったら転がすとか。って感じで、色んな物を乗り継いで動かして、第1章だったら殺し屋を倒すとか、章ごとの目的を達成していく。例えるなら、自分で『ピタゴラスイッチ』を作っていくゲームなのね」
やよい「うーわ、めっちゃ良い」
らんらん「この『トリツク』と『アヤツル』を駆使してルートを開拓していく創意工夫がめっちゃ楽しいんだよね」
らんらん「もちろんパズルだけじゃなく、ストーリーもミステリーとしてよくできていて。言っちゃえば第1章で殺し屋をやっつけることは出来るんだけど、結局自分のことは何も分からないのよ」
竹原「本当に知りたいことは全然たどり着いてないのか」
らんらん「ひと段落付いた後女の子と話すんだけど、女の子も『自分のことが分からない』って言う」
そねさん「えー、どうすればいいんだろう」
やよい「女の子が嘘をついている可能性もあるし」
らんらん「そういう中で、『自分は誰なのか、なぜ殺されたのか』って謎に迫っていき、やがて大きな陰謀に巻き込まれていく」
竹原「うっわ、めっちゃ気になる……」
らんらん「そんな感じで、ゲームシステム、ストーリー共にめっちゃ面白いゲームなんですが!実はこのゲーム、Switch(※他、PS4、steamなど)でリマスター版が出たんですよ!」
そねさん「おぉ~ん?」
らんらん「ぜひ皆さんに、1日1章ずつ、連続ドラマを見るような気持ちでワクワクしながらプレイして欲しいです!
竹原「……あ、らんらんさん最後に一個いい?」
らんらん「なに?」
竹原「『でも、そんなプレミアも付いてる昔のゲーム、もうやる手段ないんでしょう?』ってお決まりのくだりやりたかった」
らんらん「それはごめん」
らんらん1本目は逆転裁判のスタッフが手掛けた本格謎解きミステリー『ゴースト トリック』!
創意工夫が試されるシステムと、骨太なミステリー、そしてオリジナル版がプレミア化しているという、これぞ「隠れた名作」なゲームでした。
コミカルに描かれたキャラクターも魅力的で、彼らがどのように一夜の事件を解決に導くのか、非常に気になります。
なお、紹介したようにリマスター版はお求めやすい価格で遊ぶことが出来ますので、興味がわいた方はぜひ買ってみてください!
こういう「過去の名作がリマスターで遊びやすく!」のやつ、救われるファンが沢山いるので、様々事情はあるとは思いますがっ……!
ゲームメーカー様におかれましては……何卒っ……。
4本目『グノーシア』(やよい)
やよい「さて僕ですね。これちょっとプレゼン失敗したら傷つくレベルの作品なんですけど」
竹原「勝負かけてきた」
やよい「僕が紹介するのは『グノーシア』です」
竹原「あぁ~!!」
らんらん「ああ……」
やよい「あー……!!」
らんらん:名前を聞いたことはあるがプレイしたことはない……1
そねさん:名前を聞いたことはあるがプレイしたことはない……1
合計3点!隠れた名作認定!
竹原「これも全員やったことないですねぇ~」
やよい「このゲーム、ざっくり言うと『人狼ゲーム』なんですが。ただ、普通の人狼と違うところは、この『グノーシア』は、多人数用ではなく完全一人用なんです」
らんらん「CPU相手に人狼やるってこと?」
やよい「そういうことです!……はい、竹原さん今『えっ、CPUと人狼やって何が楽しいの?』って思いましたよね?」
竹原「えっ!?いや、まぁ………うん、思ったけど。だってAIが人狼の定石なんて分かる訳ないんだから」
らんらん「定石がありつつヒューマンエラーも起こるのが面白さなんだし」
やよい「と、色々ご意見あると思いますが。実際に1ゲーム見て頂きましょう」
やよい「ゲームの舞台は宇宙!航海中の宇宙船内に謎の敵グノーシアが潜伏しており、そいつを議論で炙り出して排除するのが目的です。で、今見て貰ってるのが船員のリストなんですが……」
らんらん「おいちょっと待てよ!」
らんらん「グレイいるじゃねーか!」
そねさん「笑」
竹原「コイツだろやったの!」
らんらん「まずコイツ吊っとこうぜ」
やよい「続けていいですか?」
やよい「この船には謎の知性体グノースに感染したグノーシアが潜入していて、1日の終わりに人間を1人消していく」
竹原「いわゆる人狼だね」
やよい「本来グノーシアが出た時点で汚染を広げないよう船を自爆させないといけないんですが。それは非人道的だということで、船の管理AIの下、議論でグノーシアを炙り出してコールドスリープさせる……っていうのがゲームの設定です」
やよい「さて1日目始まりますが。船内にはエンジニア(占い師)とドクター(霊媒師)がいますね。僕の役割は乗員(村人)です。で、セツと仲が良くて沙明(シャーミン)と仲が悪いです。さて、現状誰がどの役割か分からない状態なので、ちょっとエンジニアに名乗り出て貰いましょうか」
やよい「しげみちがエンジニアですね」
竹原「お前かよ!よりによって!」
やよい「おっ、対抗も出ましたね。この船にエンジニアは一人しかいないので、どちらかはグノーシアの可能性が高いですね」
竹原「やっぱしげみちだろ!」
らんらん「他の船員にもめっちゃ疑われてるじゃねーか」
やよい「そうですね。エンジニアとして名乗り出たジナも当然しげみちを疑いますが」
やよい「ここで主人公のステータスが高すぎてジナの嘘に感づきます」
そねさん「発言した瞬間に感づきましたね」
やよい「しげみちが周りから疑いの目を向けられてますんで、ここはしげみちを庇っておきましょう」
やよい「こうすることでしげみちへの疑いを緩和すると同時に、しげみちから自分への好感度も上げることが出来ます」
らんらん「ヘイト管理が出来るのか」
やよい「また、この行動への反応から各キャラクターが誰にどういう感情を持っているか読めてきますね」
やよい「さて、僕からしたらジナが怪しいので、ここで疑っておきましょう。これでしげみちに疑いをかけていた船員も意見を変え……」
やよい「あっ、しげみちが疑われてますね」
竹原「なんでだよ!」
らんらん「何したんだよこいつは!」
やよい「それに対してしげみちは……」
やよい「うやむやにして疑いから逃れる手を取りましたね」
竹原「トイレって、どっから出るんだ」
やよい「という感じで5回行動を起こしたら1日が終了して投票になります」
やよい「おっ!ジナが吊られました。ロビー活動の結果ですね。この後、夜の会話イベントが挟まれて1日が終了します。これを繰り返して、グノーシアを全員コールドスリープするか、逆に人間が全員やられてしまうとゲーム終了です。で、お気付きかもしれないんですが。キャラクター達にはそれぞれ個性や行動の軸があるんですよ」
やよい「例えばしげみちは可愛げがあって疑われにくいとか、沙明は自分の意見がなく他人を疑ってかかるとか。乗員データの『特記事項』にその人物の特徴が書かれています」
竹原「文章にちょっと毒が盛られてるの良いな」
やよい「このデータって最初は隠されていて。ストーリーの始まり、主人公がセツの手でコールドスリープから起こされた時点で主人公はなぜか記憶がなく、周りの人間のことを何一つ知らないんですよ。で、会議が始まって、なんとかグノーシアを退け、ひとまず脅威は去った……と思った、思った矢先になぜかまた1日目が始まる」
らんらん「ループしてる……?」
やよい「そう!主人公は、なぜループしてしまっているのか、どうしたら抜け出せるか、そもそも自分は一体何者なのかを明らかにするために、何度もループして謎に挑んでいきます」
竹原「ただの人狼シミュレーションではないんだ」
やよい「僕らにとっては『人狼ゲーム』ですが、彼らにとっては『生き残りをかけた会議』なんで、彼らは個々人の思惑をもって行動する。その個性を、手に入れた情報から読み切って行動するのが楽しくて、何度も遊べちゃいますね」
やよいの1本目は『グノーシア』。
CPU相手の人狼シミュレーションに留まらず、閉鎖された船内で多くの謎に挑んでいくサスペンス要素も魅力的な作品でした。
個性豊かで表も裏も濃い味付けの登場人物たち。
彼らの秘密を知った主人公は、ループの果てに一体どんな結末を迎えるのでしょうか。
……いや、やっぱしげみちが怪しいと思うんだよなぁ。
あいつだよ、絶対。
グノーシアとはもしかしたら関係ないかもしれないけれど、なんかしらは絶対あいつが犯人だって。
そして恐れていた戦犯が……!?