僕の住んでいる北海道の今日の最低気温はマイナス20度だった。
冷凍庫の庫内温度もだいたいマイナス20度前後というから、北海道はもうほとんど冷凍庫じゃないか。
と、いうわけでその自然の恵みである冷凍庫を利用してみることにした。
屋外でアイスクリームを作ったのだ。
材料だけでなく、冷やす冷気も全て北海道産の「純北海道アイスクリーム」である。
アイスクリームづくりの(ほぼ)全行程を屋外でやった。
その気合の無駄遣いは評価してほしい。
2017年1月12日午後11時、気温は約マイナス15度。絶好のアイスクリーム日和だ(作るほうで)。なにぶん深夜にやったので、写真が全体的に暗くてごめんなさい。なんで夜に暗くなるんだろう。文句は地球に言ってください。
①材料
- 牛乳 300ml
- 生クリーム 100ml
- 卵黄 3つ
- 砂糖 75グラム
- バニラエッセンス 適量
バニラエッセンスはもちろん北海道産ではないが、そこは見なかったことにしてほしい。
あと、直前に調理器具を洗ってから外に持ち出したのだけど、付いていた水気が一瞬で凍った。すごく寒い。雪の女王エルサもびっくりだ。頑張って融かすのが面倒だからありのままで使った。
②つくる
1.卵を割って白身と黄身に分け、黄身を砂糖と混ぜる
黄身だけ取り出して
砂糖にドーン
ひたすら混ぜます
こんな感じになればOK(?)
(普段アイスなんてつくらないので正解が分からない)
アイス作りの中でも最初の工程だが、これがいちばんつらかった。
お菓子づくりをしたことがある人なら馴染みのあることだと思うが、黄身だけ取り出す工程で、手に白身がつく。当然のごとく、一瞬でその白身が凍る。氷を纏って手が冷たい。かといって手が洗えない。つらい。ちょっとした地獄だった。
本当はもっと白っぽいクリーム状になる予定だったのだが、なんだかイメージと違った。もう凍り始めていたからうまく混ざらなかったのだろうか。黄色くてねっとりしている。よくわからない。
2.牛乳と生クリームを混ぜてあたためる
牛乳と生クリームを鍋にドーン。
打点が高いのはもこみちリスペクトです(MOCO’Sキッチン終わっちゃいましたね)
ここで思わぬトラブルが発生した。カセットコンロを使ってあたためようと思っていたのだが、寒すぎてうまく火がつかないのだ。水曜どうでしょうで大泉シェフが伝説のエビチリを生み出したのはこういう背景があったのかと合点がいって感動した(伝わる人にだけ伝わればいい)。
というわけで、この工程だけはお家のキッチンで。この時点でもう「外でやる」というアイデンティティを失って自暴自棄だ。
3.あたたまった牛乳・生クリームと卵黄を混ぜる
ホットミルクをドーン
そしてひたすら混ぜる
お気づきかと思うが、ボウルが完璧に凍っている。ホットミルクであたたまるとはいえ、めちゃくちゃ冷たい。みなさんは屋外でアイスクリームを作る際には気をつけてほしい。
4.軒下に放っとく
そのまま一晩放っておいた。
③できた
翌朝7時。
純北海道アイスクリーム、できたァァァ!!!
放っておくとは言えど、数時間おきに混ぜた方が絶対においしいので実はこまめにチェックしていた。放置から1時間後には凍り始め、5時間後にはアイスクリームっぽくなっていた。
脂分が多いからなかなか凍らないと思っていたけれど、さすが北海道。四捨五入すると冷凍庫じゃないか。だとすると、僕たちは冷凍庫の住人だ。ニチレイの冷凍チャーハンと僕たちは仲間だったのだ。
さて、気になる味はというと、まあ普通のアイスクリームだった。強いて言えば、混ぜ方が甘かったのか、しゃりしゃりとした食感で、どことなくロッテの爽っぽくなってしまったのが改善点である。
北海道を利用したアイスクリーム作りなんてものはたやすいものだった。今回、北海道は冷凍庫だということを身をもって確かめることができたので、北海道の皆さんはこの日常を冷凍庫としてぜひ活用してもらいたい。
余談だが、アイスクリームを混ぜる合間の仮眠でみた夢の中でもアイスクリームを混ぜていた。一瞬、夢と現実が分からなくなった。胡蝶の夢だ。突然家の外が熱帯地域になった上にスコールが来てアイスクリームがめちゃくちゃになったから夢だと分かったけれど。